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さかどん記録はてな出張所?

オーディオ入門

これは、社内向けに送信していた、日報のおまけ記事をまとめたものです。
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趣味の世界としてのオーディオをご紹介します。
目標としては、皆さんに2chでオーディオが笑われる裏側を知ってもらえればと思っています。

まずオーディオといわれる趣味は、以下のとおりに分類出来ます(ざっくりと)。
なお、直感的と思われる金額順としています。

1. ジェネラルオーディオ(いわゆる1〜2万円以下のオーディオ機器)
2. ジェネラルオーディオ コンポーネント(いわゆるコンポ、5万円前後)
3. 自作オーディオ(スピーカー自作、アンプ自作など、5万円〜10万円ぐらい?)
4. オーディオコンポーネント(5万〜)
5. ピュアオーディオ(50万〜)
6. ハイエンドオーディオ(100万〜)

ヨドバシなどで取り扱っている安いイヤホン、コンポなどは、1,2の世界です。
これらは、資本主義による大量生産によってそこそこのモノを安く手に入れられ、大変助かりますね。
そこから飛び出た趣味としての「オーディオ」(3,4,5,6) をご紹介します。

まず今日は、機器について概念的に捉えていきます。
オーディオ機器には概ね以下の特徴があります。

A. 原理的に物質投入する必要がある為、そもそもが高価
B. 10〜20年落ちの中古でも新品の半値程度で取引される
C. 無くなったメーカーなどが多くビンテージとしてプレミアが付く場合もある
D. 日本では中古市場が定着し循環しているため、相場が安定している
E. そのモデルにしかない音がある

意外なことですが、精密機器の割には稼働している限り、
ほぼある一定相場以下に値が落ちることがありません。

たとえば、人気の機種や定番のモデルであったりすると、
コンデンサなどの交換をしたリフレッシュ整備されたものが
当時の定価以上で取引されることがあります。
(HMA-9500など。といっても、超美品で、ですけど。)

なぜこのようなことになるかは、Eに結論が帰着します。
それは、その当時のMOS-FET素子であるとか、理論であるとか、
そういった当時の技術を溜め込んだ塊である、精密機器由縁からと、
その後たとえばメーカーが無くなったとか、今つくるとしたら、
その価格では製造すらできない価値である、といった理由によります。
(1980年代当時はおそらく現在原価10万以上の物質が投下されたアンプが、
 79800円などで売ってました。 a.k.a "798戦争")

これを逆手に取り、現金の物質化に使う人達もいますが、
消費者としては、一番最初にふんばって30万だして機器をかったとしたら、
その後は飽きたら中古で売ってしまえば、数万円を上乗せするだけで、
最新の同じ価格帯の機器を買えることが出来、とても(?)趣味として経済的です。

カメラを趣味にしている人には、まるで一眼レフのレンズ沼のような解説ですが、
概ね同じです。知ってました?私達仲間です。

さて、落ちがついたようで今日はこの辺で。
次回は、見栄としてのオーディオと、趣味としてのオーディオを深く探っていきます。

参考までに、ハイファイ堂という有名なオーディオ中古専門店の
ウェブサイトをご覧いただくと、雰囲気がわかるかなと思います。
http://www.hifido.co.jp/

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だれが読むのか謎なオーディオ入門、今回は楽しみ方の違いを解説します。

どんな趣味でも、その趣味で何かをするのが好きな場合と、
そのモノを集めたりするのが好きな場合とに、ざっくり分けられると思います。

オーディオの世界も同じで、概ね傾向として以下のとおりの人種に分けられます。
・見栄や投資としてのオーディオ
・趣味としてのオーディオ

前回でオーディオ機器の価値について書きましたが、このような特性上、
世界的にも高級品として確立した有名なブランドもあり、
 ex) Mark Levinson, MERIDIAN, Jeff Rowland, McIntosh, etc..
また日本でもハイエンドメーカーとして有名な2社(Accuphase, LUXMAN)が活躍し、
現金から物体化するために使われたり、知識は無いものの見栄で購入したり、
などといった形で、ある意味ほぼインテリアとして使われる場合があります。

この需要は馬鹿にできず、中国などのお金自体の信用が不安定な国では、
大変な関税がかかりつつも、かなりの売上を上げているそうです。
やはりかっこいいものが多いので、所有欲を満たすのは確かです。

では、趣味としてのオーディオは、更に細分化できますが、
 1. 音楽が好きなので、良い環境で聞きたい
 2. 好きな機器をいっぱい聴き比べたい、所有したい
 3. 装置とか理論とか好きでいじくり回したい
といった欲求が主たるモチベーションになるかと思います。

で、僕がやってる「自作オーディオ」はどれかっていうとまんま 3番です。
オーディオ好きだし、金はなくともなんとかしてやるぜー!!
的なノリをどう具体化しているのか、厚かましくも次回ご紹介します。

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だれが読(ry)オーディオ入門、今回は趣味のオーディオの世界でも、
いかに安く、いかに工夫して自分の納得する音を手に入れるか、
…をやろうと思ったのですが、その前に「良い音」について考えてみます。

さて一般的に言われる「良い音」について何か思い当たりますか?
 ・生演奏、ライブの音=良い音
 ・お値段が高い機器から出る音=良い音
 ・すごい巨大な装置から出る音=良い音
 ・すごいでっかい音=良い音
まあ色々あると思いますが、すべて当てはまるし、当てはまらないです。
なぜならば、全部それぞれ環境が違うから。(言い過ぎかな)
音は単なる周波数です。空気が揺れる振動を鼓膜で捉えてるだけです。

こんな調子なので、まず自分がどんな音を求めるかが重要です。
生演奏で聞く音なのか、絵で聞くのか、といった環境のことから、
この楽器はこういう音じゃないといけないとか、この年代の指揮者のオケじゃないと、とか、
立ち上がりの良い音だとか、艶や色気のある音だとか、ストレートな音だとか。

こう書くとなんだかオカルトじみてきましたね?
でも、ワインに置き換えてみましょう。
この時期は冷夏だったから渋いだとか、重みがあってパンチのある味だとか、
芳醇な香りだとか、若いだとか古いだとか発酵してるしてないだとか…

何が言いたいかというと、音を聞き分けられるようになるのは、お酒と一緒で
いろんな味を(音を)試した結果、経験値が増えて比べられるようになり、
ああこのブランドのこの音がいいなとか、そういう話が出来るようになりますよ、
ということが言いたかったのです(ワインを馬鹿にしたいわけじゃないので念のため)

これが、やればやるほどやらない人と乖離が激しくなる理由にもなっています。
ただ、聴き比べていくと、わかってくるあたりが趣味としての楽しさの第一歩です。

社内では、イヤフォンやヘッドフォンをしてる方が多いのでおすすめなのは、
同じ音楽ソースで、プレイヤーを変えるだとか、DACやアンプを変えるとかして、
聴き比べると、同じ曲で同じソースなのに違って聞こえてくると思います。
たとえば、Mac直挿しとiPodからでは、音が違って聞こえるような具合に。

基本的に、このオーディオ入門ではぼくの「聞こえ方」に則って書きますので、
人によってはそれが違うだとか、変だとか、嫌いだとかあると思います。
それはそれで正しいと思いますし、そういう趣味のオーディオはそんな感じです。

さて次回でやっと自作スピーカーに入れるかな・・・

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今日は「良い音」をさらに深く書きたいと思います。

質問を受けました;
〜割愛〜
> ただ、MP3を圧縮しすぎたりした時に、
> もやっとした感じだとか変なノイズが入ってるなとかぐらいは感じます。
> いい音の聞き分けも、こういう感覚の延長線上にあるんですかね?

その通りと思います。

たとえばmp3のような不可逆圧縮された音源というのは
符号化された情報量がそのファイルの中にどのぐらいの量であるか、
に聞こえ方や評価が左右されていくると思います。
(※圧縮比の話じゃなくて、視聴してどうか、という話ですよ!)

それを踏まえて考えると、その圧縮比の分だけ自分の耳に届く音が欠損、
もしくは近似された情報に置き換わって聞こえてくるのは自明で、
そういった抜けが「もやっとした感じ」などになるかと思います。

それは脳みそが、CDやDVD、ライブ、オーケストラやホールで聞いた音と
潜在的に比較してしまい、もやっとした感じ方が余計顕著になるのかと思います。
もしくは、明瞭じゃないな、といった今までの音の聞こえ方の経験値から
比較してそのように感じるのも、大きいです。

またメディアの限界として、たとえば聞いてる音楽が楽器の録音だとすると、
CDであっても、可聴域外がカット(平均:上20kHz/下20Hz)されてしまっているので、
たとえば耳は捉えていても脳みそが解釈していない部分(すなわち可聴域外の感じる振動)
について、あれ?なんか音が知ってるのと違うな?などの疑問が生じたりします。

なので、例えばDTMによる録音無しの音源であっても、単純にビットレートが上がれば、
単純に提供できる情報量が増えるということで、「よい音」に近づきます。
(まあマスタリングなどの技術力がないと、意味が無い場合も多いですが)

録音だと、マイクの性能とマスタリングにだいぶ左右されますが、
いわゆる録音環境(ホールの音など)のままの情報を保てることになります。

この情報量が多ければ、今までに無いよい音が提供できるね、ってことで
始まったのが最近流行ってきた「ハイレゾ」につながります。
(このへんは別途やりますが、ざっくりといままでとは情報量が違うっていう把握でOK)

音は振動です。つまりいろんな影響を受けているわけです。
振動の素(ソース)が悪いのは、そういう振動になるし、
素が良ければすばらしいかというと、聞く環境に左右されるし
(体育館とかボワワンとエコーひどいですよね)
実は意識すると違ってるんだよ、という話でした。

では、来週はどうしたら自分が好きな音がわかるのか?
について書いてみます。

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今日は簡単に、どうやったら自分の好きな音が見つけられるのか、
についてざっくりと考えてみます。

ぶっちゃけて言えば、好きな音は、あなたが好きな音楽に入ってます。
(だから書く必要もないぐらいです!)
たとえばマイケル・ジャクソンが好きならば、マイケルの声でしょうか?
パンチのあるアタック音でしょうか?それともサンプラーの音?

これでは、深く考えすぎです。
たとえば、ぼくなんかはその音楽がよりもっと楽しく聞きたい、
というのを目指しています。ただそれだけです。

哀しい歌というのはあまり聞かないのですが、楽しい音が楽しく聞こえるシステムは、
必然的に悲しい音は悲しくなっていくものなので、気にしていません。

どうしてそういう考えに至ったか、なんて深い意味もありません。
いろいろ聞いてるうちに、自分はパンチの有る立ち上がりが早い音が好きだ、
騒々しさよりも生々しさを求めるし、かと言ってあんまり繊細な音とか、
聞いてて疲れる音とかは求めてないな〜的な。。

たとえばオーディオ屋さんでの試聴会や、いろんなアーティストのライブ、
2ヶ月に1度程度はオーケストラ(サントリーホールばっかり)
を聞きに行ったりして、そんな方向性になっています。

他人が決めれること、かつ決めるべきではないので、
こういうざっくりとした話になりますが、こんなものです。

しかし、これを追い求めるためには、様々な機器の使いこなしが必要なので、
スピーカーやケーブルを作ってみたり、理論を学んだりしたという結果です。
趣味なので、こういう過程を楽しむのが最大の遊びと思います。

1年前の自分が好きだった音と、今の好きな音が異なってる場合もあります。
それもそれで、良しだと思います。実際に数百万のシステムを構築して、
全部売ってやり直す人も、オーディオの世界では珍しくありません。

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今日は、このオーディオ入門をなぜ小難しく書いているか、という意図と、
頂いた質問についてお返事しようと思います。

と言っても、最初深く考えずに書き始めたのですが、オーディオという趣味、
その文化を理論的に説明しているところが少ないな、という点について、
前々からもんもんと思っていたところだったので、書くからには
(概ね)理論をベースに解説していこうかな、と思ったことがひとつあります。

また、この入門を無理して理解する必要は無く、もし(無い場合が濃厚な if )...
何か音について気になった際に、オーディオを始めてみた際に、
イヤホンの音が気になった時に、何か疑問が合った時に読み返してほしい、
さらには読み返した場合に、この文章をきっかけに、さらに検索して
調べることが出来るような要素を入れて解説しておければ、そうなったとき、
楽しいかなぁ?という前提をしています。(大げさですけど)

どちらにせよ、そういう考え方でやってんだな、ぐらいに捉えてればOKで、
ぼくとは違うアプローチを採ってる諸先輩方も多くいるので、
ひとつの入り口、概論無いしは僕の考えとして捉えてもらえれば幸いです。

> ところで、可聴領域外の音ってどれぐらい知覚に影響するんですかね。
(〜以下、割愛)

実に興味深い話です。視覚と比べると、
音は明らかに違うところが、それは振動であるということです。
人間が光を捉えられるのは目、ないしは第5感(あるのか?)程度ですが、
振動を捉えるのは鼓膜以外にも、肉体を経由した神経で感じることが出来ます。

可聴域は字面の通りで、鼓膜で聞くことの出来る定義であり(個人差有り)、
超低域の周波数は、振動、ガタツキ、地響き、などで知ることが出来ます。
もしくは、この周波数によって共振する他のもので認識するかもしれません。
(音もしないのにドアがガタガタ揺れたりなんかは、低周波にドアが共振している)

高域は確かに聞くのはむずかしいです。
(もし聞こえたらコウモリの居場所がすぐに分かりますね。)
しかし、少なくとも(前にちらっと書きましたが)聞けないだけで、
鼓膜はきちんと周波数成分を拾っている、ないしは触れていると思われます。

たとえば同じスピーカーで、高域を出すユニット(ツイーター)だけを他と交換し、
視聴し比べてみると、少なくとも何らかの差を聞き取ることができます。
可聴域ギリギリまでの部分で聴き比べているのかもしれないし、
その上の周波数成分を感じとっているから、比べられているのかもしれないし、
論理的には振動発生装置が異なるので、振動の分布が違う為、などの可能性もあります。
(この辺りの3次元時の展開は詳しくないのできっと誰かがしてくれるかな?)

でも視覚は目だけと言いましたが、神経は紫外線量などを感じてるかもしれません。
また、前回「良い音」についてやりましたが、「鮮やかな色」の定義も似ていて、
色盲の人が鮮やかの定義が揃わない通り、良い音も人それぞれ揃わないと思うので、
これらは一概にこうだというものではありません。

いろんなスピーカーを聞いてもどれも一緒という人だっているわけで、
どんなモニターを見てもどれも一緒だと思うのと何らかわりがないのです。
ワインもどんなお高くても、ぼくは渋いワインが嫌いです。赤玉派です。

それと、PC上のビット数や情報量と、3次元上(現実世界)にそれを展開した場合、
D/A変換及び発生器を通すことになるので、切り分けて考える必要があると思います。

長くなったので、今日はこの辺で…。

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ずっと小難しい話が続きましたので、今日はブレイクタイムとして、
手軽に試せる「”実践!”オーディオを使いこなす」をお送りします。

まずは、お使いのスピーカーの下に、10円玉をおいてみましょう。
いわゆる有名な10円インシュレーターです。

f:id:sakadon:20150403214921g:plain


やりかたとしては、
・3点支持(前2点・後ろ1点)
・3点支持(前1手・後ろ2点)
・4点支持
がありますが、試してみてよいと思ったやり方を採用してください。

スピーカーの振動と、机の共振がセパレーションされるので、
たとえばガラスの机に置いてる場合などは、効果が出るかと思います。

また、画像でも気になったかと思いますが、
10円がはみ出るようにおいてみてください。
10円の平面は凹凸がありますので、
面接点よりかは、点接点に近づけることがコツです。

また、10円以外の金属やコルクを組み合わせることも可能です。
10円に+5円の贅沢をするなど、いろいろ実験すると楽しいかと思います。

最小30円のオーディオ入門、いかがでしょうか?
これはスピーカーだけではなく、振動の影響を受けるアンプやDACなどにも
若干の影響がありますので、お試しされることをおすすめします。
(※良くなるとは、限りません。変わるとも限りません。試してみましょう)

また、金銭を傷つける、または潰すなどした場合、
貨幣損傷等取締法により処せられますので、ご注意ください。

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書き忘れましたが、音源であるMacBookやPCなどにも、
インシュレータを試すと楽しいかと思います。
振動を発生する機材に、効果が反映されやすいです。

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さて少しウロウロしているオーディオ入門、今回は実際にはじめてみましょう。
とりあえず、オーディオセットを買うとしたら、以下を考えます;

・再生装置は何か
・何が不足しているか
・金はあるか
・場所はあるか

「再生装置はなにか」は「何が不足しているか」に関係します。
おそらくみなさんはPCから音楽を再生すると思うので、
まず「再生装置」はPCを前提にします。MacでもLinuxでもOK。

「何が不足しているか」ですが、PCだけあることを考えると、
USBがつながる”アンプ”と、”スピーカー”があればバッチリですね。
今回は、これを探し求めましょう。

「金」ですが、初回に解説したとおり、物質投入が必要な趣味な為、
どーがんばっても1機器=最低2万円ぐらいから、になってしまいます。
今回は、どうせなので10万ぐらい確保しましょう。安ければベターです。

「場所」ですが、結構シビアな問題で、これが無いと置けません。
みなさんの家の床もしくは机の上を確保してください。ゴミは捨てましょう。
今回は、ちょうど社内でみなさんが使っている木製の机の上にしましょう。

さて、これで準備は整いました。
好きな音を求めるのもいいですが、人それぞれだし聞いてみないと判明しないので、
始めてみるってことにしましょう。

次回はさがすべきUSBが繋がる”アンプ”をチョイスしながら解説してみます。

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さて、USBが繋がる”アンプ”ですが、昨今のPCオーディオ&イヤフォンブームによって、
とても裾野が広がりました。よって、よりどりみどりに選ぶことができます。

いままでは、DAC(Digital Analog Converter=デジタル信号をアナログ信号へ変換する機器)
が必要でした。なぜならば、USBケーブルに通る信号はデジタル信号なので、
そのままアンプで信号を人間が聞こえる音まで増幅しても、ノイズが出てきてしまいます。

このDACが内蔵されたのが、USBが繋がるアンプです。
お店ではインテグレーテッドアンプとか、単にDAC内蔵アンプと表現されます。

さて、じゃあ物を選ぶにはどこを気にしたらよいかというと、
このDACがどの程度の性能なのか(CD程度か、DVD対応か、BDやDSDハイレゾ対応か?)
操作性や見た目がよろしいかどうか(デザインが悪いアンプは持ちたくないですね)
そして、自分の好きな音であるかどうか。
いやむしろ、嫌いな音じゃなければ何でもOKだと思います。
イヤフォンをお使いならば、イヤフォンジャックも搭載してるかは重要です。

あとは、予算と相談してみてください。
ざっくりと、今回はぼくのおすすめを上げてみます。

TEAC AI-501DA
http://teac.jp/product/ai-501da/

・Olasonic NANOCOMPO NANO-UA1a
http://www.olasonic.jp/nanocompo/nanoua1a.html

どちらも手頃な大きさで、可愛げもあり、音は立派です。
将来的な拡張性はあまり無いのですが、末永くどんな場面でも使えるので、
初めての入門に買って損はないと思います。

さて、今回は NANOCOMPO を買うことにしてみましょう。
http://www.coneco.net/PriceList/1141015732/
今のところ68800円ですね。10万円の予算だったので、
100000-68800= 31200円

次回は余った3万ちょっとで、スピーカーを調達しましょう!
(こっちが本編)

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さて、余った3万ちょっとで、スピーカーを調達しましょう。
何にしましょうね?買ってもいいですが、買うとなっても以下のような感じです。

・VICTOR SX-WD30
http://www.coneco.net/PriceList/1090909203/
こいつは良い音します。既成品でぼくが買うならこれ。
なぜならば、小さいながら鳴りっぷりが異常で、しかしうるさくありません。

YAMAHA
http://www.coneco.net/PriceList/1080901080/
さすがヤマハ、台形形状にして定在波や共振対策を意識した
エンクロージャを採用しています。音はどうでしょうね?

うーん、なんかメインに据えるには、パッとしたものがありませんね。
既成品はたしかにいいんですが、なんべんも言いますが、
物質投入がこの価格程度しかされてないわけなので、微妙です。

また、この価格帯は見た目を見繕うためのお金がかかっているので、
実際内部パーツはそんなにお金をかけてない場合も多いです。
(もちろん、上記のように頑張ってるメーカーもあります!)

それではしかたないので、自作してみましょう。(既定路線)

自作の良さは、自分の好みピッタリなものをがんばって作れることです。
そこで今回のターゲットとして、以下の条件を揃えてみます
・メインするけどそこまで大きくない(デスクトップマシン本体ぐらい)
・ずっと聞いてても疲れない音をめざす
・NANOCOMPO(アンプ)の能力をフルに味わえるスペック
・予算は3万円に収める(※ただし工具費は別!)

さて、次回は箱を自作するための設計をしてみましょう。

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今回は、自作スピーカーことはじめとして、
設計に必要な前提知識を紹介しようと思います。

基本的に中学校で習った技術の授業相当の知識があることを想定します。

では、最低限に必要な工具を紹介します。

 0. えんぴつ・消しゴム
 線引はえんぴつ、最後に消すのでメモ書きをこまめにしよう

 1. 電動ドライバー
 ただの電動は回転方向しか力がなく、ねじ込む垂直エネルギーが無いので、
 失敗したくなければ、”インパクトドライバー”を買うこと!
 http://goo.gl/Btaf6l

 2. 巻き尺、できれば”さしがね”
 日曜大工では基本ですね、さしがねなら線引も楽です
 http://goo.gl/hRjBfB

 3. コーナークランプ 2つ以上
 板と板をLに接着する際に使用、絶対あったほうが楽です
 http://goo.gl/ZUZHNA

 4. L型クランプ 600mm以上の長さ
 http://goo.gl/2BnsX8

 5. ハタガネ 2つ以上
 http://goo.gl/WyTYem

 6. C型クランプ
 http://goo.gl/KKhBSt

4番までは、失敗したくなければ、必須です。

日曜大工をする、といった基準です。
木材を切るのはホームセンターに頼むので、切断系工具は除外しました。

そして、これらを全部揃えると3万円ぐらい資金が必要になってしまうので、
今回は、ホームセンターのレンタル工具を借りた設定にします!
http://www.vivahome.co.jp/service/vh.htm
工具を自由に使える場所を用意している店舗もあります。
また、木工系のファブラボを使うのも、一考かと思います。

しかしながら、工作は道具を揃えて使いこなすことが、上達への早道です!
ぜひ興味のあるひとは揃えてみてください。

次回は、必要な部品や素材を紹介してみたいと思います。

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次回からの続きで、最低限必要な素材を考えます。

 0. コニシ 速乾ボンド(白いやつ、でかいの)
 ボンドはコニシ以外に考えても無駄ですが、タイトボンドでもいいと思います

 1. スクリュー細ビス 23mm(木ねじ)
 皿頭のカット付きなものが良好、長さは板材に合わせますが、
 今回は23mm程度にしておきます

 2. ケーブル
 今回は、秘密兵器を用意しています、次回紹介

 3. スピーカーターミナル
 赤・黒の結線する部分のところです

 4. (場合によって)吸音材
 調整剤なので、聞いてみないと必要かわからない。
 布とかスポンジとか、なんでもOK、メラミンスポンジとかGoodです。

 5. はんだ+はんだごて
 無くてもなんとかなるが、実は逆に部品代がお高くつくので必須です

以上です。あとは場合によって時々に出てきますが、
(ぼくが忘れてなければ)購入品の付属品で事足りるでしょう。

さて次回は、ケーブルと、スピーカーターミナルについて解説します。
ケーブルは、みなさんがよく知ってる高品質かつ低コストなケーブルを紹介します。

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今回は、スピーカーターミナルとケーブルについて考えます。

まず「スピーカーターミナル」とは、見たこと有るかと思いますが
スピーカーにはケーブルを接続するための、赤と黒の金具があります。
これをターミナルといいます。

http://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=6373966

赤がHOT(+)、黒がCOLD(−)です。
アンプと極性を揃えて、接続します。

極性が反対になると、位相が逆になりますので、
両側においたスピーカーの真ん中に定位するはずのボーカルが、
頭の後ろや横に飛び散り、違和感のある音が再生されてしまいます。
よって基本的には、正相に接続をします。

このターミナルでも、きちんとケーブルを噛めるものであるか、
またスピーカー自信の振動に負けないものであるかどうかで、
音色の傾向が変わってきます。

今回は写真の1ペア1000円で売っている標準的な部品を使用します。

ケーブルについてですが、秘密兵器を用意しました。
CAT5eのLANケーブルです。CAT5以下でも、6以上でも無く、5eです。
つまり芯線が単銅線で、アルミなどのシールドが無いものがベストです。

今回の工作に必要なケーブルは以下のとおりです

 1. アンプ〜スピーカーの間、1ペア(2本)
 2. スピーカー内部、ターミナル〜スピーカーユニット(4本)

まずは、アンプ〜スピーカー間のケーブルをつくります。
長さは、短ければ短いほどよいのですが、今回は机の上なので、
1.5mほどの長さとしておきます。

1.5mほどでぶった切ったら、
両端先端だけ外皮(シース)を60mmほど剥いで芯線を出します。
そこ以外のシースはそのままでOK。

8芯あるので、全部剥いで芯線を出したら、4芯+4芯で束ねます。
両端で16芯、2本必要なので32芯ほど剥ぎますが、がんばりましょう。

これで、アンプ〜スピーカー間のケーブルは完成です。

続いて、内部のケーブルを作ります。

長さは、箱の大きさにもよりますが、今回は400mmほどにしておきます。
基本的には箱の中なので、不用意な共振を避けるため、
LANケーブルのシースは剥ぎます。カッターなどでピーッとします。

芯線はいくらでも使って良いと思いますが、シンプルに2本+2本用意します。
普通に剥いで、芯線を出してください。接続はあとでハンダ付けします。


これで、必要なケーブル(2本+4本)が完成しました。
LANケーブルの良さは語り尽くせませんが、コストパフォーマンスは絶大です。
また、入手性や品質の安定感などは他のケーブルとは代えがたい良さかと思います。

音の傾向は、パンチが強く立ち上がりの良さが目立つ傾向です。
温かみのある音ではないので、若干クールな印象を持つかと思います。

次回は、設計に取り掛かるため、箱について考えてみます。

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LANケーブルについてもう少し話すと、
ヤフオクで工事現場からのあまりロールとかを落札するのが安いです。
20m巻 2500円〜ぐらいであるので、探してみてください。

また、スピーカーケーブルだけにとどまらず、ラインケーブルとしても優秀です。
ただし、単芯銅線な為、不用意に振動を捉えることが有るため、
なるべくケーブルは空中に浮かすか、振動するところから離しましょう。

シースをすべて剥がした場合と、あった場合も聴き比べましたが、
ほとんど差は無いので、剥がさないほうが扱いやすく、
寿命が長くなり、人件費も削減でき、メリット大です

しかも、いざと成ればLANケーブルとしても使えます。
TCPもIPもDCもなんでもござれ!!

悪いところを上げると、色が青とかなので落ち着きがない、安っぽい、
というところでしょうか...

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さて、前回までで用意する道具や部品が揃い、工作に必要なものは揃いました。
それでは箱の設計にとりかかりたいのですが、素となる数値がいろいろ必要で、
その数値は、基本的にスピーカーユニットから求めることが出来ます。
(計算するわけではなく、ユニットのスペックに見合った設計を始めたい)

まずは非常に重要な部品の一つである「スピーカーユニット」を探します。
ユニットは1つづつ購入するので、ステレオにする場合は2つ必要です。

では、どのようなユニットがあるのか紹介します。
基本的には、ユニットが出力できるレンジ(周波数帯)によって名前が違います。

高:スーパーツイーター(超高域のみ出力するユニット)
↑:ツイーター(高域のみ出力するユニット)
↑:スコーカー(主に声のレンジ付近を出力するユニット)
全:フルレンジ(ユニットでは何もレンジ操作していないユニット)
↓:ウーファー(低域を主に出力するユニット)
低:スーパーウーファー(低域のみ出力するユニット)

たとえば、箱に対して1個しかユニットがついてないスピーカーは、
フルレンジのスピーカーだと思って間違いないでしょう。

箱に対して3つ付いてるスピーカーは 3wayといって、
(すなわち、2個なら 2way、こういうのをマルチウェイと言う)
概ね3wayならば、ウーファー、スコーカー、ツイーターが搭載されており、
これらを併せて出力することで、広いレンジの音を
 無理なく再生出来るような設計になっています。

どれが良いかは好みですし、数が多いことが良い音とは限りません。
こういった構造上と用途によっての違いがあるんだ、
ということを意識してください。

組み合わせについてはまだまだ色々あるのですが、
今回の自作スピーカーでは、フルレンジで勝負したいと思っています。

次回は、ユニットの選定を行います。

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スピーカーユニットの選定ですが、まずどんなメーカーがあるのか紹介します。

FOSTEXフォステクス) by フォスター電子
 http://www.fostex.co.jp/
現在のiPhone, iPod等に付属するイヤホン「EarPods」より以前の、
Apple純正イヤホンのすべてを製造し、それ以外も概ねすべてのメーカーの
イヤホンOEM製造を手がけるフォスター電子の(前置きが長い)
社内カンパニーである FOSTEX。迷ったらここ。

・PARC AUDIO (パークオーディオ)
 http://www.parc-audio.com/
音離れ(スピーカーから音がするのではなく、空間から音が出てくるような)と、
疲れない音を得意とする、元ソニーのエンジニアが設立したブランド。
ウッドコーンやケブラーコーンなど、特殊素材をうまく使ったユニークなユニットから、
一般的なパルプコーンやPPコーンなど幅広く揃え、ハズレがないのでお勧め。

・ダイトーボイス
 http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?cid=5004
激安ユニットの代名詞、本当にお金がないなら、こちら。
安いのですが、使いこなしによってはかなり化けるユニットもちらほらあります。
使いこなせれば一人前かもしれません!

海外
…は、いっぱいあるんで省略。

日本のスピーカーユニット史は、戦前もありましたが戦後からいうと、
三菱電機が戦時中に使用した粉末磁石が余ってどうしようもなく、
仕方なくむりくり作ったダイアトーン P-610A(ロクハン)というユニットが、
NHKで採用されるなどしたところから、日本のユニット史が始まります。

話すの長いので省略しますが、当時はラジオを自作するのが基本だったので、
そのためのユニットとして、様々なものが出てきていました。

その後、ブラウン管が普及するにつれ、防磁仕様のユニットなども作られ、
オーディオブームと共にナショナルやパイオニアなどのメーカーもユニットを作り、
長岡鉄男というオーディオ評論家がFMFan等で自作スピーカーの新世代を気づき、
液晶が普及するにつれ防磁ユニットがなくなっていくという過程を経て、
オーディオはニッチでオカルトな趣味とされた為か不明ですが様々なメーカーが撤退、
いまはほそぼそとファンがメーカーを支えるといった具合に至ります。

で、いったいお前はどんなユニットを使うんだっていうと、
ちょっと前に買ってタンスに仕舞ってたやつ使います。

・DCU-F131K
 http://parc-audio.com/shop/products/detail.php?product_id=136
ケブラーを使った、13cmフルレンジです。

ユニットだけで、23000円になりました。かなりおごりました。
予算が以下のとおりになりました;
 31200-23000=8200円
8200円で、箱を作りますよ!!!!

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今日は閑話休題
スピーカーの数を「チャネル」という表現をしますが、
これにも、もちろん定義があります。(概ね)以下のとおりです。

1ch = 真ん中(モノーラル)
2ch = 左右(ステレオ)
3ch = 左右&真ん中
5ch = 左右&真ん中&後方左右(ここからサラウンド)
7ch = 左右&真ん中&後方左右・側面左右
...以下続く

基本的にフルレンジ出せるスピーカーを 1ch と数えます。
さて、ちまたではよく『5.1ch』というのがありますが、
 この小数点第一位はどこから来たのでしょう?

答えはサブウーファーです。
こいつは、0.1だ。
2個、サウウーファーがあれば 0.2 ですね。

それと、DOLBY DIGITALとか、SRS SURROUNDとか見たことあるかと思います。
これらは圧縮・制御技術の商標なので、あんまり気にしなくてもOKです。
それらの技術を使っていることが、音が良いかどうかは別で、
たとえばデコードするAVアンプの性能に大きく左右されたりします。
どちらかと言えばぼくは嫌いです(※感想には個人差があります)

いろいろ書くと長くなるのでこのへんで。

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今日もなんか気分が乗らず筆が進まないので、閑話休題を。

ぼくがオーディオに興味をもち始めたのは、中学生ごろで、
そのころはネットでどうやらスピーカーの箱を自作すると、
なんかいろいろ楽しそうだぞ、ぐらいの知識でした。

何をしていたかというと、ペットボトルスピーカーなるものを作っては、
魔改造したりなどして、あそんでおりました。
http://www.ne.jp/asahi/kousoku-web/hp/petsp1.html

素材はペットボトル、スピーカーユニット、ケーブルだけあれば出来て、
道具はカッターとホットボンドだけという手軽さなので、
いろいろ実験するには良い感じでした。(しょぼいけど)

空いてるダンボールに穴をあけて、ユニットをタイラップなどで固定すると
わりと試験するにはちょうどよく、ユニットの音の特性を聞いてみる、
ダンボールに吸音材を詰めて聞いてみる、など応用することができます。

遊びならユニットもなんでもいいんで、ジャンク屋から小さいPC用の
スピーカーとか買ってきて、ばらして中身を使うのがいい感じです。
つまり、ハードオフは僕らの味方。

小音量でよければ、アンプもいらず、ミニジャックピンプラグから、
いきなりユニットにつないでも問題無く、PC側の音量マックスで
わりかし聞こえる程度にはなります。(能率による)

こういう簡単な工作から入るのも、すぐ出来てすぐ効果が試せるので、
おすすめです。ぜひやってみてください。

開発もリーンでラピッドなようですが、
工作もラピッドでリーンな感じができますよ!

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まずスピーカーの箱を「エンクロージャー」といいます。
スピーカーボックス、などでも全く問題がないのですが、
ここは今までの知識もあることですし、通っぽく上記を使用しましょう。

さて、エンクロージャの形式は、それこそニュージーランドの羊の数ほど、
今まで様々な人が、様々な形状を創り出してきました。
(昨日のペットボトルスピーカーも、そのひとつですね!)

それをジャンル分けするのですが、どういう軸で分けるのかというと、
1つは「低域をどうやって増幅する箱なのか」というものです。

低音というのは、低い周波数と捉えると、ユニットをつかって大きい振動を起こし、
空気を揺らすことにより、低音が耳や体に伝わります。

しかし、「のれん」を思い出してください。
のれんに腕押しして、低い音は出ますか?なんも音はしませんね。
のれんに腕押しして出た振動が、空気を揺さぶるほどのエネルギーでは無いのです。

スピーカーユニットも同じで、裸のままではいくら大きいユニットだとしても、
裸で出力するにはいくら電気のエネルギーがあったとしても、出せないのです。
(その前にユニットから部品が飛び出るとか、ボイスコイルが燃えます)

そこで、そのユニットを支え、ときに助けて空気に負けない振動を出す、
というのがエンクロージャーの主な役割です。

それと、2つ目に、みなさんは◎型のユニットはラッパの形状をしてますが、
く字に開いてる方から音が出てくると思っていると思いませんか?

実は、反対側からも、音が出ているのです。すごい当たり前ですが。
 (振動が反対なので逆走の音が出ていることになります)

この反対から出てきた音を利用する、というのもエンクロージャーの重要な役割です。
スピーカーユニットのポテンシャルを余すことろ無く使い切ってやるのが、
エンクロージャーを設計するときに重要なポイントになり、一番むずかしい所です。

その他にも色々役割がありますが、こんなところです。
では、どういった形状があるんだ?っていうのは、次回に解説します。

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エンクロージャの形状を簡単にご紹介。
Wikipediaで一覧されているので、参照してみてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC

最もポピュラーな形状が、「バスレフ」タイプです

ユニットのうしろから出てきた音を箱の中で閉じ込めて、
ダクト(丸い筒の部分)を通して低域を共振させることで、
意図的に低音を増幅させる仕組み。作りやすくて、設計も(わりと)簡単。


「密閉」タイプ。

基本的には、エンクロージャの中ではユニットの後ろから出てきた
音を利用するのですが、空気が押された時に逃げ道がないので、
必然的に背圧がかかることになります。

これにより、ユニットの制動に制約(負荷)がかかり、
アンプへの負担はかかりますが、強力に駆動できるアンプであれば、
立ち上がりの早い、パンチのある音を手に入れることが出来ます。


「後面開放」タイプ。

あまり詳しくないんですが、ギターアンプとか、わりとこれですね。
ユニットに負荷をまったく与えず、支えるだけなので、ユニット本来の音を
聞きたい場合は一番これが良いと思います。
また、箱が大きければ大きいほど、後面部での共鳴がかかりますが、
うまく吸音することで、生々しい音を手に入れることができます。


「音響迷路」・「共鳴管」タイプ。

基本的には、音響迷路がベースです。開口部まで長くとることで、
その中で反射する音を共鳴させ増幅させる。
簡単に言えば、パイプオルガンや、ラッパの延長線上ような感じです。

音響迷路は、ダクトの幅が基本的に一定で、
共鳴管は、開口部に向けて若干のテーパーをつける(広げたり狭めたり)。
構造的に低域の増幅が弱いので、サブウーファを組み合わせるのが一般的。

壮大でゆったりとした音楽や、ホームシアターなどの広がりを重要視する場合、
共鳴管タイプにサブウーファを組み合わせたAVシステムがおすすめ。

さて今回はこれらとも違う「バックロードホーン」エンクロージャを作りたいので、
次回、そのバックロードホーンについて紹介します。

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さて今回は変わり種エンクロージャの一つ、
 「バックロードホーン」型スピーカーについてご説明します。

図の通り、入り組んだ内部構造をしていますが、
前回も解説したとおりスピーカーユニットの裏側からも音が出ています。
この音を、この入り組んだ道程、すなわち「音道」を通すことで
アコースティックに中高音を減衰させ、低音をホーンから取り出すのが、
このバックロードホーンの目的です。

また、ユニットとしてフルレンジだけを使用するというのも魅力です。
過去にはウーファを搭載したものなどもありましたが(ビクター、JBL等)、
現代の超高性能なフルレンジの魅力を余す所なく使いこなす箱、
という挑戦的なところが、またそそります。

それ以外にも色々と利点がありますが、追々解説するとして、
最大の特徴はなんといってもバックロードでしか手に入らない「音」です。

どんな音かというと、箱の規模によりますが、
超巨大バックロードホーン+FOSTEXの構成の場合は、
立ち上がりが鋭く、パンチのある音で、また突き抜ける開放感もあり、
時に生々しい、広大な音場感のある音でしょうか。

小型のバックロードホーン(今回はこっち)の場合は、
迫力は劣りますが、主に構造的にも似通っている弦楽器の生々しさは随一で、
声の再生などボーカル帯域が特に生々しさに優れた再生をしてくれます。

この音が好きかどうかは、聴いてみてからのお楽しみなのですが、
その辺の30〜50万のスピーカーなんて大したことがないように思えてしまう、
はずです。

ただ、どうしても特異な部類のスピーカーな為、好き嫌いの差がはっきり
してしまうのですが、その場合はバスレフなどの一般的なスピーカーを
聴いてみるなどして、比較して楽しむのも有りです。

使いこなしのバリデーションや難しさなどもありますし、
もっと解説したいのですが、今日はこのへんで。

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さてバックロードの話しの続きをもうちょっとしたいのでします。

このバックロードでは超高能率スピーカーユニットが必要です。
何が高能率なのかというと、ユニットは電流の強さで駆動するわけですが、
コーン(表面)が重い素材(たとえばポリプロピレンやケブラー等)だと、
その重量分の電力が必要になり、能率が悪くなります。

逆にパルプやアルミなどの超軽量素材をコーンとすると、
軽い分動かすエネルギーが必要なくなるわけで、
少ない電力で簡単に音を出すことが出来ます。

(磁石を超強力なのを背負わせることで、ある程度素材のデメリットを
相殺ないしは補うことができますが、このあたりは割愛)

スピーカーやイヤホンを変えると、ボリュームの位置がいつもとは異なる、
というのは能率やインピーダンスの違いなので、このことです。

さて、その軽いコーンに強力な磁石を背負わせると、
駆動過多のオーバーダンピングユニットとなります。

このオーバーダンピング傾向にあるユニットがバックロードには最適です。
バックロードは普通の箱と比べて開口面が広いため、
ユニットへの背圧が理論上あまりかかりません。
(実際には結構な空気的負荷によるプレッシャーがかかっていますが!)

そこで強力なパワーで自己制動が可能なユニットであれば、
ふらふらせずにビシバシ振動し、空気を揺るがしホーンへ音を流しこみ、
バックロードを鳴らし切ることが出来る、という簡単な話しです。

どちらにしろ、バックロードに合うユニットというのは、
こういった経緯から、相場が決まっていてパルプ(紙)コーンとなっていますが、
今回は前回紹介したケブラーフルレンジユニットで挑戦したく思います。

決して軽量超強力ではないんで、猛烈なパワー感を感じることは無いと思いますが、
能率もそこそこ、必要十二分なユニットですから期待に答えてくれる、はず。

参考までに、よく使われるFOSTEXのユニットをご紹介。
http://www.fostex.jp/products/fe126en/
http://www.fostex.jp/products/fe208esigma/
(どちらもぼくの自宅にあるサイズ違いの2モデル)

↑出力音圧レベルが概ね 95db/W 前後かと思いますが、
今回つかうユニット(DCU-F121K)は、
http://parc-audio.com/shop/products/detail.php?product_id=125

88db/W と、スペック上は10デシほど劣りますが、ものは数値だけでは
測れないので、乞うご期待ということで。

さて次回はそろそろ図面を書きたく思います。

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一身上の都合によりお休みです。
一身上とは言いつつも、設計が進んでないだけなんですが!

のもなんなんで、バックロードホーンの魅力を少し。

家の床にバックロードホーンの音道部をコンクリートで作り、
ユニットが床から生えているスピーカーがあり、一度聴いたことが有りますが、
家の外まで突き抜ける立ち上がりと、例えばバイオリンが鋭く刺りくる音などは、
バックロードかつ家まるごとがスピーカーであるがゆえの体験でした。

いつかはぼくも家をスピーカーにしたい。

自作スピーカーは、無限の可能性があるので、
こうしたら、どういう音になるんだろう?という楽しみがあり、
一生の実験と趣味にするには、おすすめなんです。

そのうちぼくの家のシステムも紹介します。

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さて板取を考えながら設計をしなくてはいけません。
とりあえず、本体の概ねの大きさを決めてしまいましょう。

今回は、持ち運べるサイズにしたいと思っています。
そこで、家にあるLLサイズのスーツケースに2つ入る程度の大きさとして、
縦長な「トールボーイ」型のバックロードホーンにしようと思います。

適当にぐぐったところ、LLサイズの内寸は
 縦680mm×横500mm×奥300mm ぐらいだそうなので
(※今日家に帰ってちゃんと測ってみる)
これを均等に2分した程度の数値とし、仮で、
1スピーカー:縦 680mm × 横245mm × 奥300mm とします。

ただ、”板取”の関係などで今後この数字は変わることになるので、
最大参考値として考えておきます。

さて、板取と言いましたが、そもそも箱を作るためには”板”が必要ですが、
この板はでかいのをホームセンターなどで入手し、その場で設計図をもとに
機械でカットしてもらう必要があります(手で切ると日が暮れるし正確じゃない)

そこで、1枚の大きい板からどのようにパーツを取り出すか?
を書いたのが、板取図といいます。

f:id:sakadon:20150403215922p:plain
(以前作成したスピーカーの手書きの板取図、例)

板取はどのような割付がするかで、大量生産時はコストが変わってきますが、
所詮ホームセンターで直線1カット40円前後なので、
あまり深く考えなくてもOKです。が、綺麗な板取ほど褒めてもらえます。

それと、カットする際は板が1mm前後削られる為、
大きい板の寸法ギリギリを攻めると、寸分が狂うため、
1カット1mm減る、と考えて割付を行うのが基本です。

尚、今回の板取の素となる板は、MDF 15mm厚 サブロク板から取ります。
15mmの厚みは設計が簡単で、ほとんどのホームセンターにあると思います。

また、サブロクというのは大きさを表しており、
3尺×6尺の意味ですが、mm換算すると 約915×1825mmとなります。
ただ、カットで減ると↑で書きましたので、余白は必ず必要なため、
省略して 900×1800mmとして考えると、良い具合になります。

長くなりましたので、実際の設計工程は次回へ。

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さて、家に帰ってケースを測った所、
680x480x220mm に収めれば良いことが分かりました。

さてFireworksを使って、寸法に従ってdot by dotに図をかいてみましょう。
1px = 1mm で考えられ∧実際のサイズ感も把握できるので、とっても便利。

f:id:sakadon:20150403220037p:plain

概算で書いてみました。ちょっと横長の寸胴でかっこわるいけど。
余裕をもってこの寸法なので 、板取と相談しつつこんな風にしてみます。

さて、バックロードの設計を至る前に、
 ポピュラーな小型バックロードはどういったものがあるのか、
事前にすこしご紹介しましょう。

ちなみに今後は「バックロードホーン」を略して「BH」、
バックロードの迷路部分を「音道」、
小型で音道が短いバックロードホーンを「ショートBH」と略します。

尚、以下のスピーカーは故長岡鉄男氏が設計したBHで、
通しの番号と共に一部にはペットネームが付いております。
自作オーディオ界隈では問題なく通じるので、覚えておいて損はありません。(?)

・D-10 (バッキー)
http://sennin.image.coocan.jp/Audio/FE108E/FE108E.htm
ぼくの家にもある、もっともポピュラーなショートBHです。
これでもそこそこの大きさがありますが、どんなBH向けユニットでも
ほとんど使いこなせ、またスピーカーにオモリを載せた時の
音の変わり具合など、使いこなしの実験体にもピッタリな一台。

・D-99 (エイトマン)
http://www.b-natural.co.jp/blog/archives/000063.html
概ねサイズがよく似ている、ブックシェルフ型のBH。
これの前に、D-102というのもあったのですが、
ちょうど解説したサイトがあったのでこちらで。
見ての通り非常に内部構造は面倒臭いので、素人向けではないのですが、
サイズ感が似ているため、大いに参考になるでしょう。

これらは、音道が1m〜2m以下のショートBHで、傾向としては
基本的には低域は欲張れないが、スピード感のある音となります。

さて、次回は逆に巨大なBHについてご紹介します。

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では、逆に巨大なBHとは何でしょう?

・D-58
http://matock.com/audio/06_06.htm
http://tzaudiocrafts.web.fc2.com/D58.htm
20cmユニットを使った、大型BHの中でも王道の一台です。
モデリング図の通り、板を重ねている部分が多く、
作るのは大変苦労しますが、その頑丈な巨体から出る音は、
深々と伸びきる低域から突如して天へめがけて打ち上がる恐竜のようです。

・D-150 モア
http://kenbe.blog68.fc2.com/blog-entry-238.html
写ってる写真にちょうど人が写っていたので比べてやすいのですが、
大型ホールでも多くの人へBHの音が届くように、という設計のBH。
複雑な構造で作るのも使いこなしも大変ですが、強烈な生々しさのまま
音が自分に打ち当たってくる音は、いつか作ってみたいBHです。

TANNOY オートグラフ
http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/autograph3.html
http://www.guitars-of-love.com/grfautograph.html
英国タンノイが70年に製造していた、市販されたBHの中でも
抜群に複雑なBH。この頃はまだBHも市販品があり、
ビクターなども製造していました。

タンノイらしい芳醇な艶と香りが、豊かな時間を約束するはずです。
まじめに視聴したことがないので、ぜひ聴いてみたいですね。
王道のヴィンテージスピーカーなため、ジャズ喫茶などには結構あるので、
じつは探せば意外と簡単に機会に恵まれると思います。

さて紹介だけでこんなに長文になってしまいました。
次回は、前回求めたサイズから、計算してみたいと思います。

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さて、設計のお時間です。ちょっと気が向いたので、
一番重要で初歩的な部分をマジでガチで設計します。

http://www.e-bhsp.com/backroad.html
図のように、BHではスロートと呼ばれるホーンの入り口部分があります
BHを何個か作ってきた経験からいうと、この部分が一番重要です。
逆にこの部分をきっちりすれば、ある程度どうにかなります。

で、スロート断面積を求めます。長岡式での公式は、
S0=Sd×1/5Q0
です。
http://www1.kcn.ne.jp/~bamba/basshorn/nagaoka/index.html

Sd はユニットの実行振動半径値 a = 4.2cm から求めます。
a*a*π=55.4cm^2 = Sd (実行振動面積を求めた)とし、
1/5Q0 から先に解くと、このユニットは Qts(Q0)=0.349 なため、
1/(5*0.349)=0.5730 となります。
この数値はだいたい0.5~0.9に収まれば良いとされているのでOK。
S0 = 55.4*0.5730 = 約31.7cm^2 となりました。

つまり、32平方cmの面積があるホーンの入り口が必要となりました。
まあ参考にこのぐらいってだけなんですが、
せっかく求めたので、ちょうどよかった寸歩として、
190mm*17mm = 32.3cm^2 のスロートとしました。

今回は板材が15mmなので、設計として箱の中は
5mm単位で設計したほうが良いのですが、
数mmの誤差が出た場合も、大事にならないように吸収できる構造とし、
カバーすることにします。

さて次回は、空気室とホーン長を求めます。

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さて、さくっと空気室を求めましょう。

BHでのクロスオーバー周波数 fx を求めないと行けないんですが、
これってバスレフとは違って正確なクロスを取れないものなので、
実感値として定説になっている fx = 200Hzを置きます。

式としては、
Va=10×S0/fx
となりますので、S0 = 32.3(cm^2) と前回しましたので、
Va = 10 x 32.3 / 200 = 1.615

つまり空気室容量はおよそ Va = 1.6L 確保すれば良い事になりました。
ただ、空気室は小さすぎると、後から拡張するのが大変で、
大きければ何かで埋めればいいという不可逆性を持っているので、

Va = 2L とします。

ざっくりしてますが、BHはこんなもんです。
BH設計で肝心なのは、空気が見た目的によく流れそうかどうか、です。

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さて、あまり時間がなく、ホーン長や開口率などを求めたいのですが、
計算がだるいのと、今回は本体サイズが決まってるので、
もう落としこんでいって、結果から明らかな間違いではないか確認する、
といった方法で進めていこうかと思います。

f:id:sakadon:20150403220307p:plain
現在はこんな感じで、音道の取り回しに迷っています。
また、このように板材がいっぱいある場合は、
それぞれの部材のどこか1辺の長さが、他の部材と揃えられるよう
意識をすると、板取の際に綺麗にコマ割りが出来ます。

それと、現状のままでは空気室がおよそ 3L ほどあるので、
このまま作って聞いてみて、あとから空気室を理想の 2L になるよう、
なにか砂など詰めていくなどするか、最初から 2L になるように、
仕切りをつけてしまうか、迷いどころです。

ただ、このような箱物の場合は、不可逆性があるので、
大きめに作っといて、あとから何とかするというのは、
非常に現実的なアプローチです。


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ここまで出来ました。
音道の取り方はこれでFIXかな、と思います。
板取段階で修正するかもしれないですが。

f:id:sakadon:20150403220421p:plain


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さて、色々計算で求めるなどと言いつつも、
以下のように設計を完了しました。

f:id:sakadon:20150403220451p:plain


名前をつけましょう。とりあえずいつも規則性をつけているんで、
Backloaded Horn type, 0.3litter air chamber, Tallboy enclojure
ってことで BH03tb としました。形式、番号、形状なので覚えやすいと思っています。

↑つまり、空気室は3リットルほど確保することにしました。
必要があれば、砂を詰めたりして空気室容量を狭め、
計算した容量に近づけることにしましょう。

今回は1ペア2本作りますが、MDF材サブロク1枚+1/4サイズ(900x450)1枚
で済む、経済的な板取が出来ました。
おそらく、板材4000円+加工費1500円ぐらいでで済むと思います。

 8200-5500= 2700円

そういえば、スピーカーターミナルなどを差っ引いていませんでした。
2/23の入門(12)にて、1000円のターミナルを紹介しました。これを使います。

 2700-1000= 1700円

1700円余りました。これはいい感じですね?
さて、図面を載せつつも、お金の話をしちゃいました。
次回はもうちょっと深い話をしましょう。

決め手は、(何度も言いますが)見た目的に、
空気が流れやすそうな音道を作ることです。

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設計の話を進めます。

f:id:sakadon:20150403220605p:plain

ホーンの広がりをどの程度取ればよいのかは、
スロートからの距離と広がり定数から求める事ができます。

 S = S0×e^mx

S0=スロート断面積(cm^2)
e=自然対数の底
m=広がり定数(概ね1と仮定)
x=スロートからの距離(m)

しかし、計算しても実際にはその理想的な値に沿うことは無理で、
更にひどいことを言うと、理想的な数値の音を求めては、
完成した後「どんな音になったかな?」という楽しみが減ります。
(逆に計算通りなのに理想よりも残念やんけ!みたいなこともある)

よってめんどくさいので省略(これが本音さ)
実際このようにスロート断面積と空気室容量だけで設計できるし…。

しかし、やっぱりバックロードはホーンがキモです。
空気がうまい具合に流れてくれそうなホーンにするためには、
音道が見た目的にも綺麗な取り回しにしないとダメです。
(見た目キレイな音道だったらもう成功ってことになりますね)

今回は、縦に長細く奥行きが狭いトールボーイタイプのため、
思い切った開放率のホーンには出来ませんでしたが、
そこそこ合理的な取り回しは出来たかなと思います。


音道としてはスロートから初段〜5段目は180度折り返しを行い、
5段目折り返した所(Y)で下方へ向かい、2回ほど折り返し、
最後は正面に向かうよう転換して開放となるホーンにしました。

個人的に180度折り返す音道は、基本好ましい結果を生むと考えていて、
今回は横180度と縦180度の折り返しを組み合わせる音道としました。
その為、初段部分を5段とする必要が出ましたが、
空気室を若干大きめにすることで、形におさめています。

また、音道の道程で発生する共鳴も重要だと考えていて、
今回のユニットはガチのバックロードホーン用ではないことも考え
あまりガチガチの補強などはしない予定です。

ただ、フロントバッフル(前面板)がユニットの振動に負けるのは、
基本的に好ましい結果を産まないので、適度に補強(K,L)を授けています。

また、どうしてもバックロードの構造上、重量重心が上方に来るので、
効果あるか微妙ですが、底部を2枚重ねにするのが定石です。
実際に家で使う場合は、この底部に鉛などの重りを置くと効果抜群です。

さて、長くなりましたが、
今回のスピーカーの設計要点は上記の通りです。
あとは作ってみないと、わからないですね!

先週の土日に板材確保するのを断念したので、
明日は重りについて紹介しようかと思います。

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重りについてです。

以前にも書いたかもしれませんが、スピーカーユニットから
振動が発生、その振動を耳が捉えて、脳みそが音だと認識します。

で、この時の振動が不安定であると、ゆるい音だとか、カサつくとか、
低音だけボワ付くとか、高音が変な所から聴こえるとか、
そういった音になる傾向にあります。

この場合、いろんな理由が考えられますが、
一番多いのはエンクロージャが振動に負けて共振し付帯するとか、
ユニットから余計な振動が出過ぎていて、うるさく聞こえる、
などが考えられます。

そこで、エンクロージャが振動に負けないように、
ないしは振動を整えることで、音を調整するというのが、
スピーカーに重石を載せたり、インシュレータなどを挟んだりする
整音という行為です。

おすすめが、珪砂(けいしゃ)です。
なんと30kg 820円でホームセンターで手に入ります。
http://www.komeri.com/disp/CKmSfGoodsPageMain_001.jsp?GOODS_NO=627550&dispNo=001023004002

おすすめは5号で、粗めなほうが良いです。6号までいくと細かすぎます。
この砂を、袋タイプのジップロックに詰めて、乗っけます。

f:id:sakadon:20130821230647j:plain

これはちょっとやり過ぎですが、こんな感じでジップロックします。

f:id:sakadon:20150403220800p:plain

今回はBHなので、開口部分にこんなふうに入れるのも有りです。
ここでは、インシュレータとして、鉛板とコルクを張り合わせたものを
足としてつかっています。
また、吸音材として、マイクロファイバーな付近を敷いてます。

このような感じで工夫することで、気に食わない部分などを解消していくことが出来ます。
 
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なぜ重石に、砂(珪砂)や石(御影石など)を使うのか、
という点について、少し説明します。

制振とは、振動エネルギーをどうやっていなすか、が重要です。
例えば、抑えこむとか、浮かすとか、振動を起こさないとか、
色々方法があります。

簡単な話しが、そのエレルギーを別なエネルギーに変換したり、
吸収すれば良いということになります。

そこで砂です。これらは擦れ合って、熱エネルギーに変換されます。
つまり振動→熱に変換され、発熱するほどの熱量にはならないので、
結果制振されることとなります。

鉄球を砂場に投げ込むと、ズブっと刺ささり、大きな音はしませんが、
鉄板に鉄球を投げ込んだら、きっとすごい音がするでしょう。

砂や御影石は、このような効果が期待できるのと合わせて、
調達がとってもお安くパフォーマンスが高いので、定番となっています。

それ以外にも、鉛やブチルゴムなどが定番です。
鉛も制振性能が良く密度も高いので、効果的です。
また、鉛板をインシュレーションに使うのも効果的です。
※鉛は舐めてはいけません。

といっても、ガムテームでぐるぐる巻にするのも実は効果はありますし、
振動を一律的な方向ではなくすことで、制振せずに、同じ効果を得る
ことが可能な場合もあります。
 
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吸音について、紹介します。
簡単にいえば、字のごとく音を吸い取るという事になりますが、
たとえば布団の中で大声を出しても、外では声の振動が吸収され、
減衰してあまり大きい音には聞こえなくなります。

つまり、解釈を変えると広い空間を作り出している、と言えます。

これはどういった際に使えるかというと、
たとえばスピーカーシステムが部屋の中心から、
左にオフセットした環境だとします

この場合、左の壁と近いということになりますから、
たとえば壁にカーテンを敷いたり、タオル地のものを下げたりすることで
左の吸音率を大きく取ることで、壁との距離を仮想的に平滑化し、
音の定位を真ん中にもってくるというチューニングが可能になります。

また、スピーカーの空気室に綿やフェルトを入れることで、
仮想的に空気室の容量を増やすことも、可能です。

このように、吸音を効果的に使うことで、
自分の部屋の環境に合ったシステムに育てることが出来ます。